「官報合格」と「免除」について

リュウです。

3月21日に送付した免除の申請で、無事学位及び論文が認定され、
今日をもって、税理士試験を晴れて終了することができました。

税理士試験を目指してから6年超、
ようやく解放される運びとなりました。

今回は、反論がでるテーマかもしれませんが、
こういう機会ですので、「官報合格」と「免除」に触れたいと思います。

税知り試験を終わって思うこと

税理士試験の平均合格年数が8年という話(根拠ページ不明)という方がいます。

自分は免除前提で目指したこともあってか、
平均値より若干早めなものの、長い試験でした。

終わってみて思うのは、「早く終わらせて良かった」ことです。

「官報合格」と「免除」とは

税理士試験には、5科目を全部合格する税理士試験合格者、
いわゆる「官報合格」と呼ばれる方々と、

23年(部署によっては28年)以上税務官公署に勤めたり、弁護士、公認会計士などの資格を有する人、
そして、税法、会計科目を1科目以上合格して、大学院の学位と論文の提出し科目免除を受けることにより、
税理士試験を「免除」される方々がいます。

税理士業をやる上で、資格の差は全く無いのですが、
全科目合格をした「官報合格」の人と、「免除」を受ける人と
そのスタイルに互いの議論があります。

言わずもがな、このブログを書いている以上、
私は税理士試験の免除も有りと考える立場です。

税理士試験という長期化した試験体系

さて、概要を説明したところで、本題に入ります。

受験経験者なら、ほとんどの方が納得されると思いますが、
税理士試験は「受験期間を長期化させてしまいがち」の試験です。

税理士試験は、「科目合格制」、「合格科目は一生保持できる」ものです。
これは社会人にとって良い制度である反面、受験を長期化させる制度となっています。

税理士試験受験生は、毎年5月に申し込み、8月に受験します。
この時期の負担は、会計事務所に所属するか否かを問わず、かなりのものです。

シビアな試験とスケジュールを毎年こなすうちに、「税理士試験合格」にしか視野が届かなくなり
資格取得後の「税理士になったらどうするか」という展望を描くことができなくなります。
気づくと心の余裕がなくなっているんですね。

当初、「3科目受かったら大学院で」と最初から考えていた自分ですら、
税法1科目がどうしても受からず、不安の中、先付けで大学院に入った次第です。

もちろん、税法を含め短期間で決着できる方もいますが、
大学院で知り合った方でも、会計科目はともかく、税法1科目合格のために5年超かかる人もいます。
(単純計算で、税法合格まで15年かかります。)

5科目合格者、いわゆる「官報合格」される方は本当にすごいです。
何しろ、法人税法や所得税法を通過している猛者の方ですから。

とはいえ、自分としては「官報合格」を得るために、10年、20年と年輪を重ねるのは、
時間の使い方として勿体なく思えました。
その10年分を、税理士業のキャリアとして積むことに割くことの方が役立つと思えるのです。
(もちろん、税理士としてで、試験の専門家である「講師」になるような場合を除きます。)

私が言えることは、
「税理士試験に取り込まれてしまわないようにしてほしい」ということです。

端的に言うと、短期で合格できる方は、受験でクリアするのがいいと思います。
一方で「短期合格できる適性がないと判断したら、現行制度をうまく使い資格を取得するべき」と思います。

現行制度は、大学院免除に限りません。

現状に応じて、税務官公署勤務(現在勤務しているならば)でもいいですし、
税法以外が得意なら、公認会計士からのアプローチも手段の一つです。
研究者に向いているなら博士(原則5年も研究するので現実的ではないですが)で、税法・会計の全科目免除もいいと思います。

恐らく私が5科目合格目指したら、あと7~8年はかかったと思います。
そして7~8年受験を続けたら、同時期に税理士を志した人に、
実務力、顧客の多さ、稼ぎともにゼロからだと中々勝てないと思います。

そこで、賛否こそあるのは承知で書きますが、
最低でも1年で1科目、着実に合格できる人を除き、大学院の学位による免除等を勧めます。

税理士試験を早めに終えるメリット

税理士試験を今年から受けなくて良くなったことにより、
3つのことができるようになりました。

①.毎年5~8月の土日に税理士試験以外のことができる
②.①により子育てや家族サービスに集中できる
③.税理士試験合格を目指すエネルギーを、税理士としてどうやって成功するかを考える時間に費やせる

①~③が個人的に恩恵を受けたことですが、
誰にでも共通するのは、
5~8月に「時間たくさん使えるようになる」ことです。

5月から8月の直前期は、暇さえあれば問題集で計算し、理論の本を暗記していました。
それ以外のことをすると試験にマイナスになるストレスから、
遊びも飲みも時間制限することになります。

遊びの時も、試験のことが少なからず気になり全力で遊びきれないですし、
酷い年はお盆の後に試験だったので、
法事の際に理論本を会場に持って行くようになったわけです。

今思うと、私も「税理士試験に取り込まれてしまっていた」時期なのだといえます。
私以外の方には、税理士試験に取り込まれないことを願うばかりです。

大学院のメリットは、以下のようなものがあります。

・法学としての税法の側面を知ることができること
・同じ苦労をした税理士(今後なる人も含め)仲間が全国にできる(全国にできるのは東亜だけですが)こと
・修論作成は競争試験ではないこと
・努力が結果に反映されやすいこと

一番は、仲間ができたことですね。
今、共同してビジネスをやっている友達ができたのは、
大学院に通ったことがきっかけになっています。

前にも書きましたが、税理士試験は「短距離走」、論文作成は「マラソン」に喩えられます。
しかも、大学院で走る時間は2年あります。

2年間じっくり頑張ることで、
才能の差が多少あれども、走り続ける人は必ず結果がでると思います。
一時的に苦労することはありますが、実入りはあるものだと思っています。

逆に、短距離走が得意で、短期間での暗記、計算速度を維持できる人は試験向きなのです。
適性があるほうを選び、少しでも早く税理士になるのが無難かと思います。

大学院を卒業する頃になり、
短距離走で税理士試験を走りきれない人のために、
大学院のルートもあることを広めたく、大学院の攻略記事を取り上げることとしました。

少しでも役立つ方がいることを期待して、
今後も記事を投稿していきたいと思います。

まだ、いくつか役立つテーマを提供できると思うので、情報を整理していきます。

大学院の記事が落ち着いたら、
外国株などの投資の件についても書いていこうと思います。           











ともあれ、終わって良かった。

会計・税法と、試験勉強は楽しかったですが、試験合格をすることは実に難しかったです。
志した方が、1人でも多く税理士になれるよう祈っております。

※2020.5.8 表示・リンク等若干修正

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