リュウです。
今日は娘のおゆうぎ会です。
感染症が心配ではありますが、2歳児以下は午前中のみなので気にせず参加してしまいます。
さて、本題。
確定申告が始まりました(今年は土日の関係で2月17日~3月16日)。
この時期は、たまにお客さんに税金関係の質問も受けることがあるため、一般的な回答をしてあげることがあります。
割と同じ質問を受ける気がしたので、まとめておけば見る人もいるかもしれないので記事にしてみました。
今日は1問1答形式。
●もくじ
①年金収入のみだから税金はかからないよね。
②年金収入のみだから確定申告しなくていいよね。
③年金収入のみだから申告書はAで大丈夫ですか。
④税務署から送られていた上の申告書がBでした。
年金収入しか無い場合でも申告書Bで作れますか。
⑤医療費控除は任意様式で大丈夫ですか?
⑥医療費控除に領収書添付ができなくなると聞きましたが・・・
⑦交通費は医療費控除で使えますか?
⑧配偶者が亡くなった場合は申告する必要がありますか?
※今はネットで調べられる時代です。
確定申告も、落ち着いて調べれば概ね答えは載っています。
●質問
① 年金収入のみだから税金はかからないよね?
年金額により、かかることもあります。
また、公的年金(厚生年金・国民年金等)以外の年金についても同様です。
年金も他の所得と同じく、もらう額によって「所得」が生じます。
例えば、65歳未満の方は年間70万円超、65歳以上は年間120万円超で所得額が生じます。
所得額から、基礎控除額、社会保険料控除額等を控除したあとの課税所得金額に応じ、所得税・住民税が生じます。
(細かな論点ですが、課税所得金額がゼロでも、住民税均等割が発生する場合があります。)
②年金収入のみだから確定申告しなくていいよね?
必要な場合があります。
この場合、「確定申告をしなければならないケース」と、「(税金が還ってくるので)確定申告をできるケース」という2つのパターンがあります。
a:確定申告を「しなければならない」ケース
年金を年額400万円超給付された場合や、年金以外に所得が一定額ある場合は、確定申告をしなければなりません。
年金や給与は、年末調整等の制度で、所得税を年末に一回精算していて確定申告を省略できることがあります。
ただ、他に所得があると、計算式が複雑になるので年末に精算できないので確定申告が必要になるのです。
分岐は、国税局の資料を参考にするとわかりやすいと思われます。
https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/release/hodo/hodo_24/24kakusihin/pdf/nenkin.pdf
(国税局:年金受給者の皆様へ)
b:確定申告を「出来る」ケース
こちらは、申告しなくてもOKなケース。
年金から所得税の源泉徴収額があり、年金の源泉徴収時点で控除できないもの(例:生命保険料控除、医療費控除、雑損控除)がある場合、
又は扶養情報を提供しないで源泉徴収額が大きい場合(「所得税法第203条の3第4号適用分」に記載があり、数年分遡って年金支給されたときなどに多い)等は、確定申告で還付を受けられることがあります。
還付申告は義務ではないので、還付を受けたい人は申告してください。
(申告しても数百円しか還付額がない時などは、無理しなくても良いと思います。)
③年金収入のみだから申告書はAで大丈夫ですか。
大丈夫です。
④税務署から送られていた上の申告書がBでした。
年金収入しか無い場合でも申告書Bで作れますか。
これも大丈夫です。
BはAの書面を網羅していますので、手元にA様式がなければ気にせず作ってしまいましょう。
⑤医療費控除は任意様式で大丈夫ですか?
任意の様式でも、
① 被保険者等の氏名
② 療養を受けた年月
③ 療養を受けた者
④ 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
⑤ 被保険者等が支払った医療費の額
⑥ 保険者等の名称
が書いてあるものなら利用可能です。
とはいえ、自治体窓口に置いてあるものや、国税局のホームページにもExcel,PDFデータのテンプレートがありますので、よほどのことがなければこちらを利用したほうがラクです。
また、かつて使えなかった、医療費通知を一覧表で使うことが出来るようになりました。
そこに上述の必要な6つの項目が書かれていれば利用可能です。
⑥医療費控除に領収書添付ができなくなると聞きましたが・・・
今年(2019年分)の申告までは大丈夫です。
平成29年分(平成30年3月申告)以降、上述の医療費の明細票を提出した上で、領収書は自宅で保管するように改正されましたが、経過措置で今年の申告分(令和元年分(令和2年3月申告))までは領収書添付の方式で問題ありません。
恐らく、税務署もペーパーレスを極力目指したいのだと思われます。
来年以降は、リストを作って提出しましょう。
参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
(国税局:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)4参照)
⑦交通費は医療費控除で使えますか?
使えます。
ただ、該当するもの、該当しないものがあるため、気をつけるべき事項が多々あります。
(自家用車の駐車料金やガソリン代、タクシーなど利用は原則不可、
特定の条件下での付き添いの方の交通費が該当するなど。)
判断に悩み、額が大きい場合は税務署に聞いてみるのも一つです。
他のページでも、記事1つ分使って解説しているような内容なので、詳細は他のサイトに譲ります。
交通費を明細書に書く方法は、こちらの国税庁の公式ページを見てもらうとよいかと思います。
その他医療費控除関連は、国税庁の基本通達(ざっくりいうと法文の解釈)も参考になると思います。
「基本通達」なんていうと難しく思いますが、読んでみるとわかりやすいかと思います。
(参考:国税庁 法第73条《医療費控除》関係)
⑧配偶者が亡くなった場合は申告する必要がありますか?
必要な場合があります。
この質問だけ、通常の確定申告とは別の内容ですが、参考程度に。
死亡者の確定申告は、「準確定申告」という申告が必要がある場合があります。
(国税のみ。住民税は退職所得を除き、原則1月1日時点に死亡している方はかかりません。)
「準確定申告」も、解説しようと思うと一つの記事に出来そうなので重要なポイントを3つのみ。
a:所得額や所得の種類により申告不要のケースがある
b:相続の開始があったことを知った日(通常死亡の日)の翌日から4か月以内に申告
c:令和2年1月1日以降に亡くなった場合は、令和元年中(令和2年3月申告)の確定申告も提出必要
(所得額等で確定申告不要の場合を除く)
あとは、年金・給与のみくらいの方なら、税務署に聞くとスムーズかと思われます。
申告不要か、必要書類は何かの2点を聞けば概ね申告で困ることはないかと思います。
(参考:国税庁 納税者が死亡したときの確定申告)
●まとめ
今回は、確定申告でよくある質問をまとめてみました。
このあたりの質問をされる方は、税理士さんの有料サービスを受けるまでに至らない内容も多いです。
一方で、わかる人が周りににいないで困っている方も多いと思うので記事にしてみました。
所得税の確定申告は、一部所得(事業・不動産・譲渡・山林等)を除けば、落ち着いて書面を読むことでそこまで怖くはありません。無事に終わることを祈っております。
なお、下調べはしていますが、一応、免責事項を書いておきます。
※免責事項
2019年分(2020年3月)申告を対象としています。
調べ、確認した上で書いていますが、これにより受けた不利益については責任を負いません。
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