税理士試験の初回の思い出

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初試験から10年(厳密には平成24年は7月31日が初日だったので10年と1日前)。
今だからこそ書ける、というよりふと当時のことを思い出しました。

10年経ち初心に戻れたのかもしれません。
この記事は当時の自分の気持ちを残せればと思っています。

面白い記事でも、役立つ記事でもないので、どこかのタイミングで非公開にするかもしれません。

試験が人生の分岐点になる。あなたにも味方はいっぱいいます。最後まで諦めず運命を拓いてください。

幕張メッセに行くと「あの時」を思い出す

幕張メッセを見ると当時を思い出します。

平成24年度の税理士試験(簿財のみ?)は、東京会場以外に幕張メッセがあり、簿財受験の自分はそんな使いにくい幕張メッセでした。
(年によっては東京流通センターや横浜アリーナもありますね。)

初回の受験は簿記論と財務諸表論。
不合格なら撤退も考えていました。

結果は、財務諸表論のみ合格。
ここから5年かけて大学院と他の2科目の合格を目指すこととなります。

知らなかった「いとこの他界」

そんな初回の試験の直前のこと。

後に知ったのですが、遠縁のいとこが亡くなっていました。
その方は人生で数回会ったっきりの方ではありますが、父の兄の子です。

父と母はそのことを知っており、試験の前日にお通夜があったようです。
私が、それらを知ったのは数カ月後でした。

試験前日、自習室から帰宅した自分にカレーを作り置きして、両親は不自然に出て行きました。
違和感はあったけど試験前日で余裕もなく、カレーを食べてそのまま海浜幕張に出かけた。

今思うと、いとこのことを知っていたら、間違いなくお通夜に向かっただろうし、スコア的にギリギリ合格だったはずなので、それが不合格に変わった可能性があります。そして、それが運命を変え、試験を諦める結果にすらなっていたかもしれません。

いとこは遠縁なのもあり、両親がうまく伝えたのか、試験後にも一族に特に言われることもありませんでした。とはいえ、私自身は行かなかったことを忘れた頃に思い出し考えさせられます。

今思うと、あの時の両親の判断は難しかったはず。

ただ、7カ月間死ぬ気でやってきた自分の子に対し、お通夜に行かせるか、全力を尽くさせるか。
かなり迷ったうえでの決断であり、約6年後の税理士試験最終合格を分けたものだったのだと思うので良しとも悪しとも思いません。

幕張で感じた「孤独感」

そうとは知らず、前泊するため海浜幕張駅に向かった自分。
当時前泊した宿ではシャトルバスが出てました。

そのシャトルバスが来るまでの15分。
夜のバス停の薄暗いライトの下で財務諸表論の理論暗記をしながら、言い知れぬ孤独感を覚えました。(映画「ルディ 涙のウイニング・ラン」のノートルダム行きのバスを待つシーンを思い出します。)

「他業種から試験を受けて意味あるんだろうか?」
「(当時職場にあった)パワハラから逃げるために試験を受けただけでは?」
「ライバルは会計の実務家たち。勝てる気がしない。」

あることないことを想像しだして、不安になっていった感覚を覚えています。

結局その日はホテルでも勉強に手がつかず、間違いノートを読み直し、理論暗記をしたところで脳が疲労してたので寝ることにしました。

当日は、シャトルバスが満員で乗れなかったり(慌てずフロントでタクシーを呼んでもらい相乗りした)、財表の問2を回答し忘れたり(黒歴史にも書きました)しましたが、何とか財務諸表論だけは合格を勝ち取ることができました。

私から伝えられる受験生へのメッセージ

税理士試験に限らないでしょうが、試験では基本的に孤独で自分の力だけが頼りです。

試験により人生を切り開くのは自分自身、合格も不合格も自分の成果によるものです。
ただ、少し落ち着いて自分の周りを見てみると、あなたの試験に対し「多くの人の物語があり、あなたを支援してくれていた人」がいるはずです。

例えばそれが妻(夫)や子であり、両親であり、先生であり、人によっては職場の同僚や上司かもしれません。

当時は必死だったので、回りが良く見えていませんでした。

でも、もし試験に孤独感を覚えるようなら数分間、あなたを支援してくれた方のことを思い出してみましょう。孤独ではないことを実感できると思います。

そして「合格後に感謝を伝える言葉を考えて、試験に挑みましょう。」

人は、自分のこと以上に他人のために動くときに大きな力を発揮することが出来ます。
そして、今のがんばりで数年後に明るい未来が待っていると思います。

10年経ってふと思い出しました。
いとこの葬儀不参加のことは、無意識に忘れようとしていたのかもしれません。
短くも35歳で散った命と、将来のためにそれを伝えなかった親心、全てを賭けて受けた自分自身の孤独感。自分自身しか見えていなかったものの、実は色々な人の運命が動いていた1日だった。

明日から本番です。
自分の運命を自分でつかんできてください。

ここを見てくれた人のご武運をお祈りいたします。

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