ふるさと納税で甥へプレゼントを贈る

リュウです。

今日は、娘をアンパンマンミュージアムに連れていきました。
はっきりと初めて喋った単語が「アンパンマン」という我が娘。ずっと高いテンションで回った後、帰りに寝ていました。

※自作の三角帽子をつけて劇を見ている我が子(2018.11)

ところで、先日、甥っ子も誕生日(2歳)になりました。
 

福岡に住んでいるため、私は写真でしか見たことがないのですが(妻は先に実家に帰ったので見た)、図鑑を指さして、「(特急)ソニック!」と指差して言っていたらしいので、一族の(いや、多分僕の)期待を一身に背負ってもらうこととして、Nゲージをプレゼントすることにしました。

対象年齢は8歳以上なのですが、父親がついて遊ぶ分には大丈夫だと思っています。

プレゼントしたのは、敢えてJR九州の車両ではなく「成田エクスプレス」、当初は横須賀線を予定していたのですがE235系に変わってしまうのでやめました。これがふるさと納税(埼玉県鶴ヶ島市)でもらえるというのは面白味が有りますね。

 

神奈川に遊びに来たときに見ることができる列車を選びました。(レールと動力は、同じく鶴ヶ島市の寄付で貰った余りをあげました)


※ふるさと納税(埼玉県鶴ヶ島市)の返戻品(2018.11)

さて本題。
住民税(地方税法)には、「ふるさと納税」という制度があります。
今となっては、メジャーになりましたが、当時は知る人ぞ知る制度でした。

自分は、2014年(平成26年)からやっているので、他の多くの方々より早く始めていたという自負があります。

このころは、住民税額のおよそ10%しか寄付できなかったり(今は20%上限)、ワンストップ特例(確定申告不要制度)がなかったり、市川市が1万円でTポイント2,000ポイント分をくれたり、取りまとめサイトがふるさとチョイスくらいしかなかったり、送金も銀行送金がメインだったり、返礼品競争もおとなしかったりと牧歌的な時代でした。

若干話がそれましたが、今日は「限度額を中心としたふるさと納税」の話です。

税理士試験の中で唯一ふるさと納税の計算をさせられる科目である住民税を受験しましたので色々と思い出します。

●もくじ
1.ふるさと納税の制度概要
2.確定申告書、源泉徴収票から概算で出す限度額
3.返礼品について考える

1.ふるさと納税の制度概要
ふるさと納税は、納税とありながら、「寄付」の形態の一つです。

自分がお世話になった自治体や、応援したい自治体に対し、自分の所得税、住民税のうち一定額を上限として同額の税額を控除し、間接的に特定の自治体に自分の住民税を寄付できる制度です。

理念などは、総務省のホームページが参考になると思います。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/policy/

2.確定申告書、源泉徴収票から概算で出す限度額

ふるさと納税は、一定の上限額までは、2,000円の足切り額を除き、

①所得税の所得控除(所得の種類・区分に応じ5.105%~45.945%)
②住民税の寄付金税額控除(10%)
③住民税の寄付金の特例控除額(100%-①-② 要は残額を特別控除で引く)

から控除され、寄付金支出額(全額)の税額が減額されます。

「上限額を超えると③を受けることができなくなる」ため、「上限額」を知りたい方が多いかと思います。
(さらに高額の寄付になると、所得の金額に応じ、②→①の順に控除できなくなりますが今回は略。)

そして、この「上限額」、計算式がわかりづらい方も少なくないと思います。

今日は「上限額」をメインに考えていきましょう。
 

最初に重要なのは、「退職所得は含まれない」ことを覚えて置いてください。

退職金は所得に計上されますが、例外的に加算されません。

さて、結論ありきになりますが、概算の式です。

 (所得-所得控除) × 2% + 2,000円

になります。

厳密な上限額の計算は、税理士試験で出題される程度に面倒なのですが、
(前年の)給与の源泉徴収票や確定申告書を基に2~3,000円のズレを諦めるなら計算サイトにも頼らず自力で概算することが可能です。

・概算の計算根拠
「上限額」
は、「寄付金額の2,000円を超える部分の住民税所得割額の20%」です。(地方税法37条の2)

では、「住民税所得割額」はどのように出すか。
「住民税所得割額」は、所得に応じた住民税の額(他に固定でかかる均等割があります。)で、原則的には課税所得金額の10%(道府県民税4%+市町村民税6%)です。(地方税法35条及び同法314条の3)
 

(分離課税の税率、一部自治体の超過税率による課税等、色々なものを端折っています。)

したがって、「上限額」は、

課税所得金額の10%の20%(+2,000円)部分、
したがって、課税所得の2%+2,000円

と概算することが可能です。

厳密には、「所得税と住民税の控除額の違いを修正した増額」を調整し、「調整控除による減額」後であることを考慮する必要が有りますが、概算はこの方法で可能です。
(後述しますが、土地の譲渡等や株式譲渡などは税率が異なり、別計算なので別途相談を要します。)

では、ケースごとに分類しましょう。

① 源泉徴収票のみ(公的年金・給与のみ)
②-1 確定申告書A
②-2 確定申告書B
③ 税率が異なるものがある場合は税理士か地方自治体に聞く

① 源泉徴収票(給与のみの方)
計算機やスマホで計算できるレベルです。

源泉徴収票の様式がなかったので、公式ページから引用します。(やけに扶養控除が多い見本ですが)

※平成30年分給与所得の源泉徴収票の記載のしかた(国税庁)

・給与のみの方の概算上限額
(「給与所得控除後の金額 欄」-「所得控除の額の合計額 欄」)×2%+2,000円

にあてはめて概算可能です。

・公的年金の源泉徴収票について

年金収入のみの方で、直感的にわかる概算方法をできないか色々考えてみたのですが、所得計算、所得控除額の計算を自力でしなければならず、確定申告書Aにあてはめて計算するしかなさそうです。

 

年金の源泉徴収票は公的年金の収入額しか書かれておらず、扶養も金額で表記されていないため、所得計算を自力でするしかないんですよね。(年配の方こそ、所得と控除額を計算してあげたほうが良いと思うのですが・・・)

②-1 確定申告書A
30年分はまだ出ていないようなので、29年分で公式ページの見本を用いて対応します。。

※確定申告書A(H29年分)国税庁
・申告書Aの方の概算上限額
(「合計 ⑤欄」-「合計 ⑳欄」+「寄付金控除 ⑲欄」)×2%+2,000円

重要なのは、「所得控除に、寄付金控除を除いたもの」を使うことです。

②-2 確定申告書B

殆どAと同様です。
※確定申告書B(H29年分)国税庁

・申告書Bの方の概算上限額
(「合計 ⑨」-「合計 25」+「寄付金控除 ⑯」)×2%+2,000円

③ 税率が異なるものがある場合は・・・

②-2までのものは、住民税の税率が原則10%のものなので簡単に計算することが出来ます。

しかし、所得税・住民税には、「分離課税」という、税率が違い個別で所得計算をするものが有ります。
これをあてはめてふるさと納税の限度額を語ると、ただ長いだけの記事になるので(住民税受験生には役立つかもしれませんが)地方自治体や税理士さんに相談するが吉です。

分離課税になる代表的な所得(自治体や税理士さんに聞いて見る価値があるもの)だけ挙げておきます。次の確定申告書第3表を使うものは概ね計算が難しいものです。特に59~67に数字が入るものが該当します。
(なお、68の山林所得は住民税では特別な計算(5分5乗方式といいます、所得税法上の計算のみのため省略。)をしないため、69の退職所得はふるさと納税の限度額計算に含まないため、同様の計算が可能です。)

※確定申告書第3表(国税庁)

例として、

 ・不動産の売却益(分離短期譲渡所得、分離長期譲渡所得など軽課含む)
・主として損益通算を目的に配当金を上場で処理する(上場株式等の配当所得)
・株式譲渡等(株式等にかかる譲渡所得等)
・FXの利益(先物取引にかかる雑所得等)

があります。
これらの所得がある場合は、税額計算をしてくれる税理士さんや、地方自治体の職員さんに相談すると良いでしょう。

●概算であって正確な数字にならずズレる原因
蛇足を承知で多少触れておきます。

知っておくと、概算をする際に納得しながら計算できると思いますので。
 

概算自体は、上記情報のみで事足りるので、ここは読み飛ばしてもいいとおもいます。

ズレの原因は、ふるさと納税が「住民税」に関するものであり、源泉徴収票や確定申告書は「所得税」の書面であることに起因します。

「所得税」と「住民税」は、兄弟分のような関係に有りますが、若干の計算式が違います。
異なるポイントとしては、主に「所得控除」です。

所得計算は殆ど一致(地方税法313条)するのですが、地方税法上、所得控除額が所得税より少なくなります(なんでそうしたかは不明。)主な違い(他にも有りますが)は以下の3点です。

①基礎控除、配偶者控除及び扶養控除
扶養控除等は、住民税の控除額が、所得税のそれより少ないため、住民税額が高くなり、寄付の上限額は高くなります。
例えば、基礎控除(所得税38万円/住民税33万)となります。税率10%(県4%市6%:政令市は2:8)及びその20%がふるさと納税可能額のため
50,000円×10%×20%=1,000円上限額が増えます。

ただ、わかりづらい内容なので書きたくなかったんですが、
扶養の差額は、税額控除である調整控除の額が増えて住民税が減額される場合(高所得者は減額されないので「場合」)があるので、例外の例外で上限額が減る調整がされます。(考え方、計算式は住民税受験生以外覚えなくていいと思います。)

②生命保険料控除及び地震保険料控除
これも同様です。ただ、差額を出す計算式が複雑なので省きます。
それぞれ上限で、5万円(所得税12万ー住民税7万=5万円)所得控除額が異なるので、上述の通り1,000円くらい上限額に影響をする可能性があります。

③寄附金控除の取扱いの違い
「所得税法では、寄付金は原則所得控除」であり、「住民税(地方税法)では、寄付金は全て税額控除」になります。
そのため、計算のところでも書きましたが、確定申告書の「寄付金控除」を除外します。

このように、概算までは簡単ですが、正確な控除額の計算は結構手間がかかります。

なお、源泉徴収票が12月に配られない職場もあるため、去年の源泉徴収票を使う人もいるかと思うので、概算までで十分かと思います。実際にはそこまで困らないと思います。

 

3.返礼品について考える

返礼品は、いくつかのふるさと納税専用サイトなどがあるので、それを参考にして見るといいと思います。
(「ふるさと納税」と検索すれば、いくつか専用サイトが出てきます)

ふるさと納税の使い方には、大きく2種類あると思います。

① 普段使用する食料品や消耗品など生活費の足しにする

② 普段使わないものを買う(プチぜいたく)

個人的には①がメインです。米や紙おむつなど必須アイテムを提供してくれる自治体がありがたいです。
あとは、②として趣味の品。

還元率などというキーワードで行けば宮崎県都城市や山形県天童市などが有名ですが、
個人的に面白かったもので現行(2018.11)で残っているものを載せてみたいと思います。

なお、特定の自治体を支援している内容ではないのであしからず。

 ①草津町旅行券(寄付額の30%の草津町の定型施設で仕える旅行券、対応している宿もある)-群馬県草津町
②紙おむつ(メリーズ・現地に工場あり)-山形県酒田市
③鉄道模型(Nゲージ等・現地に工場あり)-埼玉県鶴ヶ島市
④Aランク米系(1万円で10~15kgが多い・ブランド米の地域は市販品より美味いものが多い)-大抵Aランク米の地域はふるさと納税で提供しています

と、いうわけで③の鉄道模型を甥っ子(2歳)にあげたわけです。

さすがに早すぎた感じはしますが、親が買ってくれたプラレールで遊んでいた頃に、友人が持っていたNゲージに強い憧れがあったので、早いうちにプレゼントしてみることにしました。

●まとめ
誰が一番税効果があるとか、申告方法による上限額の違いなど、色々ネタ向きの語れるテーマはありますが、利用したい人の一番重要なところは「限度額」、限度額の重要論点はは、この2点につきるでしょう。
 

・ふるさと納税の上限額は、およそ「所得ー所得控除の2%+2,000円」と把握しておく

 (給与・年金所得者は去年のでも概ね対応可能)
退職所得は除外される、税率が違うもの(分離課税)があるときは専門家に聞く。
・返礼品は、節約に使うもよし、贅沢をするのに使うもよし

大分削ったのにそれでも長くなってしまった。

ともあれ、役立てば幸いです。
 

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