子ども手当の支給廃止条件を整理する

ファイナンシャル・プランニング

2020年12月頃、高所得世帯に対し「子ども手当の支給廃止」をするニュースが流れました。

児童手当 61万人の子どもが不支給に 年収1200万円以上で除外、22年10月めど:東京新聞 TOKYO Web
政府・与党は10日、中学生以下の子どものいる世帯に給付する児童手当について、高所得世帯向けの給付を一部廃止することで合意した。現在は一...

現在の子ども手当の精度には、中学校卒業までの児童に対し、
一定所得未満の対象者に、
 3歳未満 月15,000円
 3歳以上 月10,000円
一定所得以上の対象者でも、 月5,000円(特例給付)

が実現されています。

そのため、給付額の差こそあれ子育て世帯は一律で一定の補助を受けることができます。

ところが、一部世帯は、この制度から外れるようになるようです。

株式投資をしている自分にとって、利確することで所得が発生することから子ども手当の支給制限に該当することになる場合などを考慮し、慎重に確認する必要がありました。
今日は、じっくりと法文を読みまとめていきます。

https://news.yahoo.co.jp/byline/toyodamayumi/20210530-00240589(制度改正の概要)

※免責事項※

 本件、細心の注意を行って記事を作成していますが、
 当記事を読んで受けた損害は免責とさせてください。
 (むしろ違うところを発見したら教えてもらえると幸いです。)

とにかく他法との関連が多く大量に引用しなければならないため長文です。
結論だけ欲しい人は「まとめ」に飛んでください。

次代の社会を担う児童の健やかな成長のために金を惜しみ過ぎているように思えるのです。

制度概要

まず、児童手当法の目的を読み返してみましょう。

第一条 この法律は、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第七条第一項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。

太字は筆者。

 ・子ども・子育て支援の適切な実施
 ・家庭等における生活の安定に寄与
 ・次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること

といったところが主なキーワードです。

邪推すると、支給廃止世帯には、

「子ども・子育て支援の適切な実施」の支援をせず、
「(支給を行わないことで)家庭等における生活の安定に寄与」せず、
「次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること」を政治の立場からは行わない
ように思えてきます。

悲しい話です。

(1)法改正により出る支給停止世帯の割合

記事の試算によると子育て世帯の4%が支給制限に該当するようです。

政府の見解としては、「待機児童の解消を目的」としたお金と言いますが、子育てにお金がかかるのは所得は関係ありません、補助廃止は年収に問わず重いものです。
子を持つ世帯としては、お金をかける場所が違うのではないかと思わざるを得ません。

(2)対象

次に対象について。

細かな例外がありますが、対象者は概ね、

 ・支給対象者は日本に住民登録のある児童の養育者
 ・支給の対象となる子どもは、中学校修了前の児童

です。(児童手当法3条)
外国人などを除けば、気にすることはない論点かと思います。

ポイントとしては、今回の支給制限の算定基準の対象となる人は、
「世帯単位」ではなく「支給対象者」ということです。(児童手当法5条)

したがって、

 ①世帯主が1,500万円、配偶者が103万円 → 支給対象外
 ②世帯主が1,000万円、配偶者が800万円 → 支給対象

となるわけです。(細かい控除は割愛)

このように、「世帯所得は共働きのが多いのに、支給制限を受けない」という逆転現象を生じることがあります。
(これも批判があります。)

ただ、政策としては、「収入が少ないから共働きをするという現状」を考慮し、逆進的な支給停止を行わないこととなりました。ニュースなどを観る限り、「世帯」を計算単位にするという意見もあったようで、今後世帯収入を観る可能性は否定できません。

(3)支給制限の仕組み

今回の支給制限(支給停止)は、(給与)収入1200万円の対象者(主に世帯主)を対象と銘打っています。

正式には後述の通り、児童手当法施行令により決まります(パブリックコメント後、8月上旬施行予定)が、大まかな支給停止の仕組みを図にすると以下の通りです。

次の「2」からは、制度を詳しく読み込み、境界案件を整理したいと思います。

支給制限額

支給制限となる所得額は、児童手当法によると政令(児童手当法施行令)に規定されています。

今回の改正の制限額はまだ確定しておらず、厳密には以下のサイトでパブリックコメントの答申を待つ状況のようです。締め切りは7月30日までで、奇しくも2日前に募集期限は過ぎ、具体的に確定されるのは8月上旬になります。

パブリックコメントは、意見は聞くけど方針は変わらないことも多く現段階で概ね確定事項と捉えても良いかと思っています。
そのため、素案ではありますが、この内容に基づいて検討しましょう。
※「児童手当法施行令の一部を改正する政令案」及び「児童手当法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見募集について

パブリックコメントの提案によると、所得制限額を「858万円」と定義しています。
この額に、配偶者控除と子供の人数×38万円を加えます。

この定義だと、表向きは「収入1200万円」と銘打っていますが、実はもう少し制限が厳しいようです。

このモデルケースは、

 ・給与所得控除を220万円(所得税法の改正により、給与所得控除の最大額が195万円までさがります。)
 ・配偶者の所得が103万円以下(共働きは38万下がります。)
 ・子どもが2名(合計特殊出生率1.34なので概ね1名)

であるため、実際と異なるケースも少なくなく、モデルケースを見直してみましょう。

共働き、子ども1名で引き直すと、

となり、世帯によっては大体1,100万円を超える(1,099万円)と支給制限になる可能性が出てきます。
後述の「控除の額」が大きければ若干制限額は上がるものの、医療費が高額である都市などを除き、1,200万円には届かないかと思います。

所得について

対象となる所得について。

基本的には地方税法に規定される所得(ひいては、概ね所得税法上の所得)が対象となります。

具体的には、以下の所得の合計に8万円を控除した額とされています。(児童手当法施行令3条)
解説などを見ると、後述の控除のうち社会保険料控除と生命保険料控除を便宜的に8万円としているようです。

●対象所得
 ・総所得金額(損益通算後)
  -利子所得
  -配当所得
  -不動産所得
  -事業所得
  -給与所得(給与所得は10万追加控除 0未満は0円)
  -譲渡所得(不動産・株式等以外のもの例えば金地金の売買等)
  -一時所得
  -雑所得(年金等の雑所得は10万追加控除 0未満は0円)
 ・退職所得金額(通常処理の現年分離分は除く。地方税法313条(対象)と328条(対象外)も参照。)
 ・山林所得金額
 ・分離長期譲渡所得の金額(特別控除後)
 ・分離短期譲渡所得の金額(特別控除後)
 ・先物取引に係る雑所得等の金額

(以下、特殊な収入。基本無視でOK)
 ・土地等に係る事業所得等の金額
 ・特例適用利子等の額、特例適用配当等の額
 ・条約適用利子等の額、条約適用配当等の額

(地方税法313条、328条、
 地方税法附則33条の3第5項、34条4項、35条5項、35条の4第4項
 外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律8条2項、8条4項)
 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律3条の2の2第10項、3条の2の2第12項)

複雑に考えても仕方ないので、ここでのポイント。
色々な所得がありますが、

 ・上場株式等に係る配当所得(分離課税の配当所得)
 ・株式等に係る譲渡所得

が計算に含まれていません。

何度か法文を読み返しましたが、対象に入ってないようです。
一定の自治体では、それを明示しています。(参考:出雲市)

なお、申告不要制度(源泉徴収ありの配当、株式等の譲渡所得)も含まれません。
こう見ると投資家に有利な制度ですね。

総合課税の譲渡所得はともかく、

 ・分離課税の不動産の譲渡所得(分離短期・分離長期)
 ・FX(先物取引)

が含まれるのに、株式等や上場配当が含まれないのは政策的なものを感じます。

収入1200万円前後の多くの人は、総合課税の配当所得のメリットも少ないため、

配当の最適解は、

①申告不要(国内株メイン)
又は、
②分離課税(外国税額控除がある場合等)

を選択すれば子ども手当の支給上、有利になります。
不支給の境界線上で総合所得で配当所得を申告するのは避けたほうが良いかもしれません。

控除について

次に控除について。税金ではありませんが支給制限の計算上所得金額から控除できる額があります。
所得金額から控除される額。(児童手当法施行令3条2項)

 ・雑損控除、医療費控除、小規模企業共済等掛金控除 全額
 ・障害者控除 普通27万 特別40万(★)
 ・寡婦控除 27万(★)
 ・ひとり親 35万(★)
 ・勤労学生 27万(★)

★ここのみ所得税の控除額を使います。

他の控除は対象外になります。

なお、

 ・配偶者控除(+38万)
 ・扶養控除(+38万)
 ・同居老親等(+38万+6万)
は、制限額の上限を上げることで反映しています。(カッコ内は加算額 児童手当法施行令1条)

 ・社会保険料控除
 ・生命保険料控除
は、固定額8万円の控除を所得額の計算時に行います(児童手当法施行令3条1項)
やけに少ないですが・・・。

 ・同居特別障害者控除
は、障害者控除(特別)の人数に加算されます。

 ・寄付金控除(住民税は寄附金税額控除)
 ・基礎控除

は対象外です。(寄付金は住民税上税額控除であるため、基礎控除は恐らく制限額に含まれています。)

ここでのポイントは、
 ①主に所得税の控除額で控除できる
 ②「社会保険料控除」は支出額に影響せず8万円
 ③「小規模企業共済等掛金控除」は対象

の3点。

したがって、
「国民年金基金(社会保険料控除)」「iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)」で差がつきます。

当然「iDeCoが有利」です。
これも、投資家の方が使っているケースが多く有利と思われます。

まとめ

ようやく整理がついたように思います。調べようと思っていたのですが、条文が難解だったのでかなり後回しにしていたのですが、今年の所得が影響してくるため、余裕があるうちにじっくり腰を据えて調べました。

最後に、重要なポイントを最終整理。
読むのが面倒な人はここだけでよいと思う。

 ①今回の改正児童手当法では、現行通り「支給対象者」のみの収入(所得)をみる
 ②株式の譲渡所得と分離課税で申告した配当所得(総合はダメ)は計算に含まれない(株式等の譲渡所得は1億円でも子ども手当が給付されうる。)
 ③申告不要制度を利用した譲渡・配当所得も計算に含まれない
 ④社会保険料控除と生命保険料控除はあわせて8万円しか控除されない
 ⑤小規模企業共済等掛金控除(iDeCo等)は全額控除
される

を押さえておけばOKです。

支給制限ギリギリで、外国税額控除の還付など、子ども手当以外のメリットが無ければ「総合課税で配当所得を計上しない」ことです。個人的にはこれで安心して株式を譲渡できます。

いずれは世帯課税になるかもしれませんね。

そういう場合でも、敢えて書きませんが抜け穴のありそうな政策になるような気がします。

以上、参考になれば幸いです。

おまけ(法文)


 児童手当法(抄)
(支給要件)
第四条 児童手当は、次の各号のいずれかに該当する者に支給する。
一 次のイ又はロに掲げる児童(以下「支給要件児童」という。)を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母(当該支給要件児童に係る未成年後見人があるときは、その未成年後見人とする。以下この項において「父母等」という。)であつて、日本国内に住所(未成年後見人が法人である場合にあつては、主たる事務所の所在地とする。)を有するもの
イ 十五歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある児童(施設入所等児童を除く。以下この章及び附則第二条第二項において「中学校修了前の児童」という。)
ロ 中学校修了前の児童を含む二人以上の児童(施設入所等児童を除く。)
二 日本国内に住所を有しない父母等がその生計を維持している支給要件児童と同居し、これを監護し、かつ、これと生計を同じくする者(当該支給要件児童と同居することが困難であると認められる場合にあつては、当該支給要件児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする者とする。)のうち、当該支給要件児童の生計を維持している父母等が指定する者であつて、日本国内に住所を有するもの(当該支給要件児童の父母等を除く。以下「父母指定者」という。)
三 父母等又は父母指定者のいずれにも監護されず又はこれらと生計を同じくしない支給要件児童を監護し、かつ、その生計を維持する者であつて、日本国内に住所を有するもの
(略)

第五条 児童手当(施設入所等児童に係る部分を除く。)は、前条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当する者の前年の所得(一月から五月までの月分の児童手当については、前々年の所得とする。)が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(施設入所等児童を除く。以下「扶養親族等」という。)並びに同項第一号から第三号までのいずれかに該当する者の扶養親族等でない児童で同項第一号から第三号までのいずれかに該当する者が前年の十二月三十一日において生計を維持したものの有無及び数に応じて、政令で定める額以上であるときは、支給しない。ただし、同項第一号に該当する者が未成年後見人であり、かつ、法人であるときは、この限りでない。
2 前項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。

 児童手当法施行令(抄)
(法第五条第一項に規定する所得の範囲)
第二条 法第五条第一項に規定する所得は、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五条第二項第一号に掲げる市町村民税(特別区が同法第一条第二項の規定によつて課する同法第五条第二項第一号に掲げる税を含む。以下同じ。)についての同法その他の市町村民税に関する法令の規定による非課税所得以外の所得とする。
(法第五条第一項に規定する所得の額の計算方法)
第三条 法第五条第一項に規定する所得の額は、その所得が生じた年の翌年の四月一日の属する年度分の市町村民税に係る地方税法第三百十三条第一項に規定する総所得金額(所得税法第二十八条第一項に規定する給与所得又は同法第三十五条第三項に規定する公的年金等に係る所得を有する場合には、同法第二十八条第二項の規定により計算した金額及び同法第三十五条第二項第一号の規定により計算した金額の合計額から十万円を控除して得た金額(当該金額が零を下回る場合には、零とする。)と同項第二号の規定により計算した金額とを合算した額を当該給与所得の金額及び同条第一項に規定する雑所得の金額の合計額として計算するものとする。)、退職所得金額及び山林所得金額、地方税法附則第三十三条の三第五項に規定する土地等に係る事業所得等の金額、同法附則第三十四条第四項に規定する長期譲渡所得の金額(租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第三十三条の四第一項若しくは第二項、第三十四条第一項、第三十四条の二第一項、第三十四条の三第一項、第三十五条第一項、第三十五条の二第一項、第三十五条の三第一項又は第三十六条の規定の適用がある場合には、これらの規定の適用により同法第三十一条第一項に規定する長期譲渡所得の金額から控除する金額を控除した金額)、地方税法附則第三十五条第五項に規定する短期譲渡所得の金額(租税特別措置法第三十三条の四第一項若しくは第二項、第三十四条第一項、第三十四条の二第一項、第三十四条の三第一項、第三十五条第一項又は第三十六条の規定の適用がある場合には、これらの規定の適用により同法第三十二条第一項に規定する短期譲渡所得の金額から控除する金額を控除した金額)、地方税法附則第三十五条の四第四項に規定する先物取引に係る雑所得等の金額、外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十四号)第八条第二項(同法第十二条第五項及び第十六条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特例適用利子等の額、同法第八条第四項(同法第十二条第六項及び第十六条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特例適用配当等の額、租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第三条の二の二第十項に規定する条約適用利子等の額並びに同条第十二項に規定する条約適用配当等の額の合計額から八万円を控除した額とする。
2 前項に規定する市町村民税につき、次の各号に掲げる者については、当該各号に定める額を同項の規定によつて計算した額からそれぞれ控除するものとする。
一 地方税法第三百十四条の二第一項第一号、第二号又は第四号に規定する控除を受けた者 当該雑損控除額、医療費控除額又は小規模企業共済等掛金控除額に相当する額
二 地方税法第三百十四条の二第一項第六号に規定する控除を受けた者 その控除の対象となつた障害者一人につき二十七万円(当該障害者が同号に規定する特別障害者である場合には、四十万円)
三 地方税法第三百十四条の二第一項第八号に規定する控除を受けた者 二十七万円
四 地方税法第三百十四条の二第一項第八号の二に規定する控除を受けた者 三十五万円
五 地方税法第三百十四条の二第一項第九号に規定する控除を受けた者 二十七万円

 地方税法(抄)
(所得割の課税標準)
第三百十三条 所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
2 前項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額は、この法律又はこれに基づく政令で特別の定めをする場合を除くほか、それぞれ所得税法その他の所得税に関する法令の規定による所得税法第二十二条第二項又は第三項の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算の例によつて算定するものとする。ただし、同法第六十条の二から第六十条の四までの規定の例によらないものとする。
(略)
(所得控除)
第三百十四条の2 (冗長なので略します)
(退職所得の課税の特例)
第三百二十八条 第二百九十四条第一項第一号の者が退職手当等(所得税法第百九十九条の規定によりその所得税を徴収して納付すべきものに限る。以下本款において同じ。)の支払を受ける場合には、当該退職手当等に係る所得割は、第三百十三条、第三百十四条の三及び第三百十八条の規定にかかわらず、当該退職手当等に係る所得を他の所得と区分し、本款に規定するところにより、当該退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の一月一日現在におけるその者の住所所在の市町村において課する。
附則(冗長なので略します)

 所得税法(抄)
(課税標準)
第二十二条 居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
2 総所得金額は、次節(各種所得の金額の計算)の規定により計算した次に掲げる金額の合計額(第七十条第一項若しくは第二項(純損失の繰越控除)又は第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。
一 利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、譲渡所得の金額(第三十三条第三項第一号(譲渡所得の金額の計算)に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び雑所得の金額(これらの金額につき第六十九条(損益通算)の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の合計額
二 譲渡所得の金額(第三十三条第三項第二号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び一時所得の金額(これらの金額につき第六十九条の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の合計額の二分の一に相当する金額
3 退職所得金額又は山林所得金額は、それぞれ次節の規定により計算した退職所得の金額又は山林所得の金額(これらの金額につき第六十九条から第七十一条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。

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